31(Thirty-one) Factory 北原 サエのブログ

文芸作品を創っています。

十「柿の木」

 庭のある昭和の古い木造の家が取り壊されて、ビルを建てるまでの間、駐車場になっていた。駐車場の隅には、庭にあった柿の木が一本残されていた。秋になると、たわわに実をつけた。近所の人が竿で柿の実を落として持ち去っていた。やがて、駐車場にビルが建つことになり、柿の木は切り倒されなくなった。

 

駐車場に一本在った柿の木の切り倒されて昭和終わった